3月はテーマ型の「メタバース」関連の新規設定ファンドが続出

また、3月は「メタバース」をテーマにした新規設定ファンドが目立ちました。岡三アセットマネジメントの「グローバル仮想世界株式戦略ファンド」、日興アセットマネジメントの「グローバル・メタバース株式ファンド」、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ・メタバースワールド(資産成長型)」と「ニッセイ・メタバースワールド(予想分配金提示型)」で、合計4本が設定されました。

話題のメタバースに関連した企業の株式を組み入れて運用するものですが、いつの時代も「今、話題の〇〇に投資します」ということで、話題性の高さに乗じて販売を伸ばそうと目論んだテーマ型の投資信託が設定されます。

この手のテーマ型ファンドは、マーケットでの注目度が高い時期に、こぞって新規設定される傾向がありますが、残念ながらそのタイミングが株価のピーク近辺となることが多いのです。株式市場は、市場参加者が常に儲かりそうな、新味のあるテーマを探しているため、一時的に注目を集めたとしても、比較的早いうちに話題性は陳腐化します。株式市場で話題に上らなくなった時点で株価の伸びが止まり、ファンドの運用成績も伸び悩むことになります。

過去、IT関連や環境関連、水関連、ヘルスケア関連など、さまざまなテーマ型ファンドが設定されてきましたが、その多くが似たような末路をたどりました。話題性のあるうちに短期で値上がり益を取って、すぐに解約するという割り切り型の投資をするなら、テーマ型ファンドを購入するのもありですが、長期の資産形成にはあまり向いていないのではないでしょうか。

特定のテーマ、資産クラス、地域に集中投資するタイプの投資信託は、自分で複数のファンドを組み合わせてポートフォリオを構築できるだけの知識、ノウハウを持っている人なら使いこなせると思いますが、初めて投資信託を買う人、あるいは投資経験が浅い人は、より慎重に検討すべきでしょう。