新規設定ファンドは過去の基準価額の推移が分からない

まず、新規設定ファンドを購入するメリットは何かを考えてみましょう。これは正直なところ、あまり見当たらないのではないでしょうか。新規設定ということは、過去の運用実績が全くないことを意味します。過去の運用成績が無ければ、そのファンドが持っているリスク・リターンプロファイルが全く分かりません。

ちなみに誤解のないように申し上げておきますが、ここで言う「運用成績」は一定期間中の基準価額騰落率のことではありません。騰落率は過去の基準価額の上昇率・下落率のことなので、その数値が1年後、あるいは5年後も続く保証はどこにもないのです。

運用成績で見るべきは過去の基準価額の推移です。特にマーケットが急落した場面で、基準価額がどの程度下げたのかをチェックしましょう。

たとえば基準価額のピーク時から下落局面に入り、ボトムを打つところまで何%程度下げたのかを見るのです。仮に40%の下落率だとしたら、自分の資産が40%目減りしても耐えられる金額で、その投資信託を購入するようにします。100万円を投資して40%下がったら、損失額は40万円です。40万円の損失に耐えられるなら100万円を投資すれば良いし、耐えられないなら投資金額を減らします。

新規設定ファンドの場合、過去の基準価額が存在しませんから、そのファンドが持つリスクの程度が分からない状態で投資することになります。こういった点でみれば結構リスクの高い行動と言わざるを得ません。