変動リスクを抑えた新規ファンドが人気
ところで、3月の新規設定ファンドで最も設定額が高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「三井住友DSグローバル・ターゲット戦略債券ファンド2022-03(限定追加型)」で、設定額は557億4000万円でした。
このファンドは、4年間の信託期間中に償還を迎えるグローバル債券での運用になります。債券は金利上昇局面で債券価格が値下がりしますが、同ファンドは信託期間中に償還を迎える債券に投資することで、債券価格の変動リスクを出来るだけ排し、さらに為替ヘッジを用いて為替変動リスクを軽減させ、基準価額のボラティリティ(変動率)を低めに抑える仕組みになっています。
基準価額の変動リスクを抑えた運用を行うことと、年率1%程度の利回りを目指すことから、今の預貯金金利の低さに耐え切れなくなった個人資金が集まったものと思われます。ただ、1%程度の利回りでは100万円の資金で試算すれば収益はわずか1万円。もちろん運用資金が10億円くらいなら話は別ですが、老後の資産形成には少し物足りないのではないでしょうか。
114億2500万円の設定額で運用をスタートさせた、アセットマネジメントOneの「One円建て債券ファンドⅡ2022-03」も、投資対象が日本国内の円建て債券という違いはありますが、限定追加型で、安定運用を目指すという点は、「三井住友DSグローバル・ターゲット戦略債券ファンド2022-03(限定追加型)」に近いコンセプトです。