関連サービスも含めると市場規模は大きい

自動運転車市場の最も大きな特徴は、ただ新しい車両の開発・製造を促進するというだけでなく、関連のテクノロジーやプラットフォーム、付帯サービスも発展していくことだ。関連市場も含めると、その市場規模はとてつもなく大きい。実際、トヨタ「e-Palette」の実証実験はトヨタ自動車だけでなく、運用オペレーションを提供するMobility Technologiesをはじめ保険会社や通信会社など6社と共同で行われたものだ。

自動運転を導入するとすれば、運転自体のオペレーションはどこが担当するか、保険のリスクアセスメントはどうするか、バスやタクシーの場合は配車のインフラはどこを活用するのか等、様々なサービス・業種との提携が見込まれる。

インテルと米調査会社ストラテジー・アナリティクスは、自動運転車の実用化で創出される市場規模は、顧客が受ける移動サービスのマーケットを含めると2050年には7兆ドルにのぼると予測している。投資のテーマとしても注目度は高い。アメリカではテスラやバイドゥなど複数の自動運転関連銘柄に投資するETFも上場されている。

日本では「グローバル自動運転関連株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)、「eMAXIS  Neo 自動運転(三菱UFJ国際投信)」の2本が、自動運転の関連銘柄へ投資できる投資信託だ。どこまでを自動運転銘柄の範囲とするかは議論の余地があるかもしれないが、長い目で見れば、かなり魅力的な投資テーマといえるだろう。

このイノベーションは世界的な潮流であり、参入は最大手からベンチャーまで裾野が広い。現在、世界では「レベル4」をめざしての開発競争が繰り広げられている。時価総額の大きい企業がプレイヤーとして参画していることもあり、投資家としても見逃せない市場になりそうだ。