来るべき“自動運転“社会 東京都も「自動運転レーン」を構想
モビリティ改革は先進国に残された数少ない製造業のフロンティアかもしれない。現在、世界の大手自動車メーカーはどこも自動運転車の開発に力を注いでいる。イーロン・マスク率いる米テスラも自動運転技術の開発には力を入れており、マーケットの関心は高い。
国や自治体も将来の自動運転社会を見据え、様々な取り組みを行っている。日本では2019年頃から、主に地方都市でエリア内を循環する自動運転バスの走行実験が、政府主導でたびたび行われてきた。また、今年の3月には東京都が「自動運転社会を見据えた都市づくりの在り方」を策定・発表した。その中で自動運転車用の「自動運転レーン」の先行整備も検討している。
自動運転といってもその「程度」は様々で、日本では現在、下記のような定義づけが行われている。完全に人間が運転する場合をレベル0と設定し、レベル1~5までが設定されている。
昨年ホンダが市販車種として初めて「レベル3」のシステムを搭載した「レジェンド」のリース販売を行い、大きな話題を呼んだ。東京オリンピック・パラリンピックではトヨタの「レベル4」自動運転車「e-Palette」が選手の運搬で活躍し、今年に入ってからお台場で短期の実証実験も行われている。事故時の保証・責任や法律をどう整備するかなど課題はあるが、自動運転のテクノロジー自体はこの数年で驚くほど進歩している。