買い物ついでにポイントや小銭でできる少額投資
NTTデータグループの日本電子計算(JIP)・証券事業部が毎月発行している「JIPs DIRECT No.108」では、証券トレンドというコーナーで、金融庁が行った「おつり投資」の実証実験の結果が公表されたという記事が掲載されています。
すでにおつり投資については、フィンテック企業のTORANOTEC(トラノテック)投信投資顧問が運営している、おつり投資アプリ「トラノコ」がリリースされており、おつり投資に加えて各種提携ポイントで投資ができるといったサービスも展開されています。ですがこの、「JIPs DIRECT No.108」で取り上げられたおつり投資は、2020年2月12日から4月22日までの期間で行われた実証実験の結果をとりまとめ、金融庁が公表しました。このおつり投資はリアルな小銭を使ったおつり投資というのが、従来型のおつり投資と違うところです。
具体的には、小売店に隣接した場所に設置された小銭を投入できる「おつり投入ボックス」という装置に、お買い物で受け取ったおつりを投入すると、そのまま投資に回せるというサービスです。このサービスのオペレーションを適法かつ適正に行えるかどうかを検証するための実証実験でした。そして、その結論としては、一練のオペレーションに問題が無かったことを確認しています。
果たして、この手の新しいサービスで投資の間口は広がるでしょうか。今回の実証実験では、セブン銀行丸の内共同出張所におつり投入ボックスが設置されましたが、実際にこれを普及させるためには、コンビニエンスストアをはじめとして、さまざまな小売店の店舗などにおつり投入ボックスを設置する必要があります。
また、最終的にこのボックスに投入された小銭を、投資信託会社経由で受託銀行に送金しなければならないという手間もかかります。そして、これらの手間にはコストがかかりますから、それを負担する業者からすれば、おつり投入ボックスの導入によって経済的にどのようなメリットが得られるのかが明確にならない限り設置しようとはしないでしょうし、それを考えると、普及させるのは相当、難しいのではないかと思われます。