いまだ「投資」に関して、ハードルが高いという印象を受ける人が大勢いらっしゃるようです。でも、昔に比べると株式への直接投資でも、あるいは投資信託でも、最低投資金額は各段に下がりました。

最低投資金額は一昔前に比べ格段に低下

たとえば株式投資。かつては「単位株取引」といって最低単位株数が決められており、「1単位=1000株」が一般的でした。これは1990年代の話です。特に1980年代の日本はバブル経済の真最中で、株価はそれこそ1000円、2000円が当たり前でしたから、それを最低1000株からしか投資できないとなると、最低でも100万円からの資金が必要になります。3銘柄に分散しようと思ったら300万円以上の資金が必要でしたから、確かに株式投資はある程度、お金を持っている人でなければ参加できませんでした。

しかし、2001年6月から「単元株制度」が導入され、1単元の株数は、株式の発行企業が定款で自由に決められるようになりました。その流れのなかで、2018年10月からは最低取引株数が100株に統一され、現在に至っています。これにより、1株=1000円の株価の銘柄であれば、10万円から投資できるようになりました。

加えて、最初の売買となる寄付き段階の成行注文しか出来ないという制約はあるものの、通常取引の10分の1の株数で売買できる「株式ミニ投資制度」や、1万円の定額積立投資ができる「株式累積投資制度」などもあり、数万円で売買できる制度も充実してきました。

投資信託に至っては、かつての最低購入金額は1万円でしたが、今では1000円から積立投資できる販売金融機関が増えましたし、ここ数年で注目されているポイント投資やおつり投資に至っては、お金を出して投資している実感すらほとんどないものとなっています。