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巨大企業も時に突然倒産します。2012年に経営破綻した「エルピーダメモリ」もその1つに数えられるでしょう。世界有数の半導体メーカーの倒産は国内に大きな衝撃を与えました。

なぜエルピーダメモリは破綻することになったのか、今日はその経緯について学びましょう。また昨今問題になっている「半導体不足」についてもご紹介します。

世界3位の半導体メーカーが破綻。負債総額4400億円

エルピーダメモリはNECと日立製作所、三菱電機といった大手電機メーカーのDRAM(ディーラム)事業を統合してできた会社です。DRAMとはパソコンなどに用いられる半導体製品の1つで、エルピーダメモリは国内で唯一、世界で第3位のDRAMメーカーでした。

世界3位のシェアといっても内情は厳しかったようです。そもそも日本の電機メーカーは1980年代まで世界のDRAMの7割ほどのシェアを握っていましたが、韓国や台湾のメーカーが台頭したためシェアを落としていました。

そして2007年以降、DRAM価格の下落がエルピーダメモリを襲います。過剰供給やリーマンショックなどを理由にDRAM価格が下がり、エルピーダメモリは2009年3月期に1780億円以上の最終赤字を計上しました。

その後エルピーダメモリは公的資金の注入などを経て事業再生を目指し、翌期には約31億円、翌々期には約21億円の最終黒字を計上しています。辛くも復活できたかに見えましたが、再びDRAM価格の下落が発生。さらに円高の影響も加わり、2012年2月27日に会社更生法の申請に至りました。

当時の負債総額は4480億3300万円。東京商工リサーチによると、製造業としては過去最大の破綻となりました。当時エルピーダメモリは上場していましたが、同年3月27日に株価1円で最後の取引を終え、翌日に上場廃止を迎えます。