iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、現役世代の皆さまが、原則、毎月一定金額を積み立てて、自分で運用した資産を60歳以降に受け取る制度です。そもそも、2002年1月から始まったこの制度、歴史は長いものの、それこそ長い間、知る人ぞ知る的な存在がiDeCoでした。日の目を見るようになったのは、ちょうど5年前の2017年1月、iDeCoという愛称が決まり、公務員にもiDeCoが解禁されたのです。
今やiDeCoも飛ぶ鳥を落とす勢い、現役世代の資産形成ツールとして、つみたてNISAと双璧をなす存在ですね(言い過ぎでしょうか?)。公務員のiDeCo解禁前夜を知る者としては感慨深く、隔世の感すらありますが、公務員にiDeCoが解禁されて早5年、皆さまはiDeCoでどんな運用をしているのでしょうか? 今回はそんなことを改めて確認したいと思います。
加入者全体で見ると、すでにiDeCo資産の2/3は「投資信託」
まず、加入者全体でみると、iDeCoでどんな運用をしているのか、国民年金基金連合会の資料※1で確認してみます。iDeCoの運用商品は大きく分けると、預貯金などの「元本確保型商品」、値動きのある金融商品である「投資信託」の2種類になります。2021年3月末時点で、運用商品の資産構成比(以下、構成比)は、「元本確保型商品」:「投資信託」でおよそ36:64。実はiDeCo資産のおよそ2/3は「投資信託」なのです。
※1 出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況」(令和3年3月末現在)
「運用商品が預貯金などの元本確保型商品に偏っている」、これは長年、日本の確定拠出年金制度における大きな課題として、繰り返し指摘されてきたことでした。実際、公務員にiDeCoが解禁された直後の2017年3月末、iDeCo資産の構成比はおよそ57:43と「元本確保型商品」が多かったのです。
それが今や、大きく様変わりしています。この5年でiDeCo利用者が急拡大している中、「投資信託」を選ぶ人が増えている、そして、「投資信託」による運用でiDeCo資産が増えている、そういうことだと思います。