「労働基準法」と「最低賃金法」の基本
そもそも労働基準法はどのような法律なのでしょうか?
労働基準法では労働時間について、原則週に40時間、1日8時間を超えないように定めています。これらの時間を超える場合は「時間外労働」として賃金を25%以上割り増しして支払わなければいけません。例えば時給1000円で働く人の場合、時間外労働の時給は1250円以上となります。
また時間外労働も上限が定められています。原則は月に45時間までで、労使合意がある場合でも、時間外労働が45時間を超える月は年に6カ月まで、また最大でも月100時間を超えて時間外労働させることはできません。
【労働時間(原則)】
・1週40時間、1日8時間
【割増賃金】
・時間外:25%以上
・深夜(原則午後10時~午前5時):25%以上
・時間外かつ深夜:50%以上
・休日:35%以上
・休日かつ深夜:60%以上
【時間外労働の限度(原則)】
・月45時間、年360時間
【時間外労働の限度(労使合意がある場合)】
・月45時間を超える時間外労働の月は年6カ月以内
・月100時間(時間外労働と休日労働の合計)
・2~6月平均で1カ月あたり80時間以内
出所:厚生労働省 労働基準に関する法制度
また、私たちの賃金は「最低賃金法」により一定額を保証されています。最低賃金は地域によって異なり、2021年度の平均は時給で930円でした。都市部で高い傾向にあり、最高は東京都(時給1041円)で、最低は沖縄県(同820円)となっています。
【主な地域の最低時給(2021年度)】
・北海道:889円
・宮城:853円
・東京:1041円
・神奈川:1040円
・愛知:955円
・大阪:992円
・広島:899円
・福岡:870円
参考1)加重平均:930円
参考2)最大値:1041円(東京)
参考3)最小値:820円(沖縄)
出所:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。