オフィスビルや商業施設、ホテルといった不動産物件を組み入れて運用するJ-REIT(不動産投資信託)の価格下落が、今年に入ってから目立っています。

半月で14%下落…07年の米国住宅ローン問題以来の長さ

現在、東京証券取引所には61銘柄のJ-REITが上場されており、それらをひとまとめにして東証REIT指数というインデックスが計算・公表されていますが、今年1月5日に2085.71ポイントという高値をつけてから下落に転じ、1月21日には安値で1792.94ポイントまで下落しました。約半月で14%もの下落です。これは2021年3月以来10カ月ぶりの安値です。1月20日付の日本経済新聞(朝刊)の記事によると、「下落は1月5日以来10営業日連続で、米国の住宅ローン問題が不安視されつつあった07年12月~08年1月以来の長さ」という。

記事にもある「07年12月~08年1月」というのは、米国のサブプライムローンの不良債権化と、さまざまなサブプライムローンを組み合わせて高格付けを取得した証券化商品の価格暴落によって、世界中の金融市場が大混乱に陥った時のことです。ちなみにサブプライムローンとは、信用履歴や弁済能力に問題があり、債務不履行に陥るリスクが高いとされる人たちが、住宅を購入するのに組むローンのことです。この時の東証REIT指数は、2007年5月の2636.23ポイントを高値に、2008年11月には683.38ポイントまで急落しました。

当然、下げ幅としてはサブプライムショック時の方が大きかったのですが、この時はサブプライムショックと共に、その影響を受けて米大手投資銀行であるリーマンブラザースが経営破綻し、世界的な金融収縮が一段と深刻化したからでもあります。