より透明性を高めることが問題解決のカギに

以上の通り、それぞれのファンドが誕生した背景には理由があり、時系列をたどっていくと、信託報酬の安いファンドが後発で展開されているケースが圧倒的に多い。販売会社としても、既存銘柄の取り扱いを直ちに停止することは難しく、「一物多価」が発生していることを容認せざるを得ないというのが実態だ。

とはいえ、投資家の立場からみると、信託報酬率の差は概して運用成績の差として表れる。前述した通り、アクティブファンドの場合は特に、ファンドの名称だけで同一マザーの「姉妹ファンド」を紐づけられないという点に問題がある。

ファンドによっては、運用報告書(全体版)に同一マザーの「姉妹ファンド」が記載されているが、個人的には、この情報を交付目論見書に記載すべきと考える。米国のいわゆるシェアクラス制のように、購入前の段階で各銘柄(シェアクラス)の手数料体系や購入条件が明示されれば、実態として「一物多価」状態になっていたとしても、最終的に投資家が選択できる。スマートフォンで簡単に情報を検索できる時代だからこそ、透明性の高さが問題解決のカギを握るのではないだろうか。