映画関係者が語る人生の指針ともなる名言
チャップリンが、映画『ライムライト』の中で残した名言がある。「人生に必要なものは、勇気、想像力、そしてsome money」という言葉だ。後に、チャップリンは「some money」について、お金というものは「今月の生活のやりくりに、このお金で足りるだろうか……足りないかもしれないな……」と思案する程度のお金があれば十分だとした。
確かにお金に余裕があればありがたいものだが、ありすぎてもロクなことはない。若い頃大いに羽振りを利かしていた知人で、今は消息知れずといった人が何人かいる……。筆者に限らず友人・知人からも、時折そうした事例を耳にする。お金は、ほどほどにあるのが良いのかもしれない。
黒澤明監督は、映画には準備が大切だと強調した。「演技は一日薄紙一枚しかないけれど、リハーサルに時間を使えば、それを積み重ねていくことで厚みが出てくる。だから演技だけじゃなく、準備をキッチリやっておかなければ、画面の奥行きは出ない。余裕がなければ現場での膨らみを作れない」と説いた。どの世界にも通用する言葉だ。
ビートたけしの言葉には、「勉強するから、何をしたいかが分かる。勉強しないから、何をしたいのか分からない」がある。常に進化し続ける感のある日頃の言動は、旺盛な知識欲と学ぶことを重視する信念にあるようだ。
執筆/大川洋三
慶應義塾大学卒業後、明治生命(現・明治安田生命)に入社。 企業保険制度設計部長等を歴任ののち、2004年から13年間にわたり東北福祉大学の特任教授(証券論等)。確定拠出年金教育協会・研究員。経済ジャーナリスト。
著書・訳書に『アメリカを視点にした世界の年金・投資の動向』など。ブログで「アメリカ年金(401k・投資)ウォーク」を連載中。