運動は知的な活動であるとともに人とのつながりも増幅する

健康を保つには、栄養の摂取や睡眠などの休息とともに運動が必要とされる。ただ、食事や休息は時間がたてば自然と体が欲するものであり、改めて身構える必要はない。しかし、運動を始めるには強い意志が必要であり、究極の知的活動といえる。

なお、高齢化社会となった現在、健康維持のために、以上の3項目以外に必要なこととして強調されることがある。社会とのつながりを保つことの重要性だ。人と交流することの大切さだ。孤独に伴う心情の落ち込みは、煙草を1日に15本吸うことに匹敵するほどに健康を害するといわれる。イギリスでは、孤立者を出さないように、あわせて孤立者を救おうと、新たに孤独担当大臣まで任命された。日本も同様にこの課題は大きくなっており、イギリスに追随したことはご承知の通りだ。

大分市在住の村山富市元首相は、97歳の今でも元気な姿がテレビなどで見られるが、ラジオ体操も一役買っているようだ。毎朝、ラジオ体操が行われる場所に出向いて行き、みんなと一緒にラジオ体操をしているそうだ。もちろんラジオ体操だけでは終わらないだろう。会場までの行き帰りには、何かと会話も弾むことだろう。運動と社会とのつながりを上手に実現させている好例といえる。

執筆/大川洋三
慶應義塾大学卒業後、明治生命(現・明治安田生命)に入社。 企業保険制度設計部長等を歴任ののち、2004年から13年間にわたり東北福祉大学の特任教授(証券論等)。確定拠出年金教育協会・研究員。経済ジャーナリスト。
著書・訳書に『アメリカを視点にした世界の年金・投資の動向』など。ブログで「アメリカ年金(401k・投資)ウォーク」を連載中。