究極の運動とまでいわれるラジオ体操の効能

ラジオ体操は、普段は動かさない筋肉や関節も大きく動かし体全体を活性化させることを目的とする。筋肉は約400以上も使うとされ、同時に左右均等に動かすために体の歪みを直すとされる。高齢になると左右どちらかに歪んでいる人が見られるが、こうした歪みの予防になるだけでなく、美しい姿勢をもたらすとされる。

体を曲げたりひねったりすることで腹部の体幹に刺激を与え鍛えることにもなり、内臓の活動を促すことで血行が良くなったり胃腸の動きを活発化させ便秘などにも効果がある。新陳代謝が改善する効果もあるそうだ。

こうした効果から、ラジオ体操は究極の運動とまでいわれる。通常なら動かさない筋肉も動かすことから、つまずいたりバランスを崩して倒れそうになった時などに、頭などを保護すべく自動的に手で支えたり足を使ってバランスをとったりすることで大事に至らず済むことがある。

筆者も会社を退職した後、特別なことがない限り毎日取り組んでいるが、現役時代に同じことが起こっていたなら大けがをしたであろうと思うことで、命拾いしたことがある。年齢を重ねるなかで、こうした事態に遭遇することは多くなる。親の世代が、長生きするための生活訓として「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」と話しているのをよく耳にしたものだ。転ばないように風邪をひかないようにと、体力づくりのキッカケとしてのラジオ体操を検討してみるのはいかがだろう。

ただ、第一体操と第二体操では強度が違う。第一体操は姿勢や呼吸を整えることが主体で運動負荷は低いが、第二体操は筋肉を鍛える要素も多く運動の負荷は高い。高齢の人が始めるには、まず第一体操で慣れることが大切だとされる。