確定拠出年金は2001年にスタートし、今年10月1日に 20年目を迎えました。企業に退職金制度のひとつとして導入されている企業型DCと呼ばれる制度の加入者は2021年3月時点で750万人、iDeCoという愛称で呼ばれている個人が自分の年金資産を作るために利用する個人型DCの加入者が200万人、合わせて1000万人という老後の資産形成の一角を担う存在になりました。2001年の法施行前から係わってきた私からすれば、よくここまで育ったなあと感じています。
このコラムでは、制度が普及する中で起きた今だから話せる話なども今後綴っていきたいと考えています。しかし、まずは来年度iDeCoの加入に関して大きな法改正が2つ控えておりますので、そちらから取り上げていきたいと思います。いずれも加入する際の要件が緩和される改正なので、より多くの方にiDeCoを活用いただくことができるようになります。ただ、利用できる方や利用できる枠を可能な限り広げた結果、人によって条件が異なり、自分のケースがわかりにくくなった面があります。正しく理解しておかないとあとで「しまった」と後悔することになりかねませんから、具体的な事例を使って、気をつけるべきポイントを 解説してまいります。