学び、学んだことを忘れ、再び学ぶ (learn、unlearn、relearn)ことの重要性を説いた先見性

トフラーは、50年も前の書籍「未来の衝撃」のなかで、過去に学んだことにとらわれないで、蛇が脱皮するがごとく過去に身に着けた知識を捨て、新たに学び直す必要があるとした。現在のデジタル社会での変革のスピードを考えると、うなずける至言といえる。

いま大学生が学んでいることの40%は、10年後には時代に即さないものになっているともいわれる。10年後あるいはその先には、現在は存在しない新しく生み出された仕事に従事している可能性が高く、その仕事に適した技術なり知識を持っていることが要求される。大学時代の知識に安住していては、遠からず失業する可能性すらある。

仕事の盛衰は、過去に存在し将来も当然存在するであろうと考えられていた仕事が、どれほど消失したかを振り返ると納得できる。植字の職人、電話交換手、集金人と枚挙にいとまがない。デジタル技術の進展で秘書職も存在感が薄くなった。

一方、ウェブ開発者、機械学習エンジニア、データサイエンティストなどの新たな仕事は、次々と生み出されている。チャールズ・ダーウィンも「生き残るのは、最も強いものでもなければ、最も賢いものでもない。変化に最も適応できる種だ」と説いている。

学歴についても、どこの大学を卒業したとか、どんな分野の科目を履修したかという視点ではなく、学び続ける人こそ学歴が高い人と考えるべきとする識者もいる。

現状についての思い込みや既存の枠組みを常に疑い、時代遅れの知識や考え方を捨てる覚悟が必要だ。