将来を見据えた投資の大切さ

社台グループのようなリスクの高い投資は誰にでもできることではありません。しかし、現代では会社員でもお金を預貯金で眠らせずに、世界中で働かせることが必要になってきました。なぜなら、日本人の平均寿命の延びや超低金利から資産の枯渇を防がなくてはならないからです。

厚生労働省の「令和2年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.64歳、女性は87.74歳となっています。また、90歳まで生存する人の割合は、男性28.4%、女性52.5%です。男性の30%以上、女性にいたっては半数以上が90歳までは生きることがわかります。長生きの分、老後資金も多く準備しなくてはなりません。しかし、現状の超低金利では、預貯金でまとまった資産を作るのは困難です。この問題を解決する手段の1つが投資です。

投資が必要になっていることは、国がiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などの税制優遇のある制度で個人投資家をサポートしようとすることからも分かります。

投資とは、利益を得るために将来有望な投資先に資金を投じることです。今までは、事業家や機関投資家中心に行われてきましたが、会社員でも金融商品や不動産を通じて投資家になれます。また、自分がお金を稼ぐためにスキルや知識を身に付ける自己投資も、投資の一種です。

自分が受容できる範囲のリスクで投資をしていくことは、これからの個人には必要となっていくでしょう。

投資において私たちがサンデーサイレンスの成功から学べることは、「投資対象をよく研究すること」「多少の損失で諦めず、コツコツ続けること」です。長年、専門家として競走馬の生産に携わってこなければサンデーサイレンスの可能性を見極め、導入することはできなかったでしょう。また、投資の失敗が続くと撤退したくなりますが、損失を抑える努力をしながら、長く投資を続けることも大切です。

なおサンデーサイレンスは死後、繋養されていた「社台スタリオンステーション」の敷地内に埋葬されました。

 

執筆/松田聡子
明治大学卒業後、ITエンジニア、国内生命保険会社での法人営業を経て、2007年より独立系FPとして開業。コンサルティングの他、企業型確定拠出年金講師や執筆活動に従事。人生100年時代を最後まで自分らしく生きるためのお金のアドバイスと情報発信がライフワーク。日本FP協会認定CFP、DCアドバイザー、証券外務員二種。