相談者のプロフィールとお金データ
【島田悦子さん(仮名)プロフィール】 54歳、5年前に夫に先立たれ、パート勤務をしながら、1人で暮らす(子どもたちは既に独立している)。神奈川県在住。 【寄せられたお悩み】 「遺族厚生年金※を受け取っています。夫が亡くなった当時の蓄え(夫死亡による遺産、確定拠出年金の死亡一時金などを含む)は子どもの学費などに使ったため、あまり残っていません。 とりあえず現在は、遺族厚生年金(寡婦加算付き)が年間150万円弱あります。また、夫存命の頃から、扶養の範囲内でパート勤務し、今もそのパート勤務の収入があります。国民年金や国民健康保険の保険料を差し引いて、お給料の手取りは年間90万円程度です。 そんな中、パート先で正社員登用の打診もあって、正社員になれば手取りの給与が年間210万円になりそうですが、その場合、年金がどうなるかよく分かりません。 あと10年ほどで65歳。将来1人で老後を迎えようとする中、働き方と年金の受給について知りたいですし、勤務先にこれといった企業年金制度がないため、これまで加入したことのないiDeCo(個人型確定拠出年金)での運用についても考えたいです。 なお、現在、毎月国民年金保険料を納めていますが、20歳から短大卒業までの6か月分だけ年金制度への加入がありません。自宅に届いた『ねんきん定期便』によると、私の65歳からの老齢年金の見込額は老齢基礎年金が77万円程度、老齢厚生年金が3万円程度、年間合計約80万円です」 ※ 会社員等として厚生年金保険に加入している被保険者が死亡した際、遺族(今回の場合、島田さん)が受け取ることのできる年金。 【お悩みの論点】 ①老齢年金も受け取れる65歳になると、現在受給中の遺族年金はどうなるのか? ②パートから正社員になって、厚生年金に加入したほうがよいか? ③iDeCoでの運用について知りたいが、今からでもできるか?そのポイントは?
資産状況や月々の収支など
世帯の金融資産額(運用中の投資額と預貯金を合わせた金額):300万円 内訳 預貯金:300万円 収支 <収入> 世帯の毎月の手取り収入:20万円 手取りの年収:240万円 <支出> 毎月20万円 月々の支出内訳 住居費5万円、水道光熱費3万円、食費5万円、交通費1万円、通信費2万円、貯金3万円、趣味・交際費1万円
お子さんは既に独立し、これからお一人での将来の生活を考えたい島田さん。教育費の心配はなくなったものの、ご自身の将来の生活や収入が気になるところですし、今後の急な出費が発生した時にも備えたいところですね。
年金の受給や働き方、iDeCoでの運用についてイメージできるようご提案していきます。
著者情報
五十嵐 義典
いがらし よしのり
ファイナンシャルプランナー
よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員、服部年金企画講師。専門分野は公的年金で、これまで5500件を超える年金相談業務を経験。また、年金事務担当者・社労士・FP向けの教育研修や、ウェブメディア・専門誌での記事執筆を行い、新聞、雑誌への取材協力も多数ある。横浜市を中心に首都圏で活動中。※2024年7月までは井内義典(いのうち よしのり)名義で活動。
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