「老後はリスクを取ってはいけない」に固執した人の末路

昔の通説が今は当てはまらないという話はよく耳にしますが、老後の資産運用における通説もまさにその通りで、「老後に市場変動リスクを取って運用してはならない」をやみくもに信じて市場変動リスクを取らないでいると、非常に大きな長生きリスクやインフレ・リスクに直面してしまうのです。その結果、保有資産が枯渇してしまってはもう後の祭り。そのような末路を回避するには、定年退職直後から、これら3つのリスクのバランスを取ることが必要なのです。

その際、理解していただきたい大事なポイントは、これらのリスクがすべて低くなる投資対象は存在しないということ。一般的には、市場変動リスクが低い資産は長生きリスクおよびインフレ・リスクが高くなり、市場変動リスクが高い資産では逆になります。つまり、以下の天秤の絵のように、これらのリスクはトレードオフの関係にありますから、自身にあった絶妙なバランスを考える必要があるのです。

 ※上図はイメージです。 出所:アライアンス・バーンスタイン

とはいえ、自分自身でそのバランスを見つけるのは容易ではありません。でも、何も運用しなかった場合に、何歳で資産が枯渇してしまうのかを確認することは比較的簡単だと思います。まずは第一歩として、計算してみてはいかがでしょうか。