FRB は、どのインフレ指標に注目して金融政策の舵を取っているかを明言してはいません。しかし、専門家の間では、より範囲が広いPCEデフレーター、特に、食料品やエネルギー価格が大きく変動している局面では「コア」指数のほうを重視しているのではないかという見方が主流となっています。従って、今後のFRB の金融政策の行方を占う上では、PCE コアデフレーターに注目していく必要があるでしょう。そして、今現在の1%台半ばという水準を考えれば、「出口戦略を吟味することは時期尚早」とパウエルFRB 議長が繰り返し言及していることも十分に理解でき、冒頭で紹介した米国債券市場の動向(米10 年国債利回りの上昇)は、現時点では「勇み足」かもしれません。引き続き、PCE コアデフレーターやパウエルFRB 議長の発言には注目していきたいところです。

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