自動車業界の革命児? テスラの経営手法とは

イーロン・マスクがCEOを務める電気自動車メーカー「テスラ」は、革新的経営スタイルでも知られている。一般的な自動車メーカーは自社の販売店を持つものだ。店舗へ来店した客に営業を行うスタイルこそが、自動車業界が長年培ってきた販売手法だと言える。

一方のテスラは2019年頃からそれまであった販売店をすべてなくし、完全オンライン販売への切り替えを推進。テスラの製品を購入するには、公式ホームページから注文することが必要となっている。完全オンライン化で、テナント料や人件費など、販売店の維持にかかるコストを削減できる。その分、浮いた金額を製品の開発費へと回せるのだ。

テスラは広告に費用をかけない点でも自動車メーカーとして異質だ。従来のメーカーのように、テレビやYouTubeでCMを流すといった広告活動を一切行っていない。その代わりSNSなど、コストがあまりかからない媒体の活用が中心だ。

イーロン・マスク自身も個人のアカウントで、Twitterへの投稿を頻繁に行っている。彼のアカウントのフォロワー数は4900万人にも上る。この数字はテスラ社公式アカウントのフォロワー数である約850万人を大きく上回る数字だ。

また、テスラの自動車が「コネクテッドカー」である点にも注目したい。コネクテッドカーとは、インターネットへの常時接続機能を持つ自動車のこと。スマホアプリのようにアップデートすることで、機能の追加や改良を行うことができる。過去にはテスラ社が自社の自動車を「車輪がついたアプリ」と称したこともあった。システムのアップデートで加速力が向上するなど、購入後も進化し続けるのがテスラ車の特徴だ。