自分の資産を、納得できる適切な場に置いておきたい

お客さまの中には、資産運用に対して強い興味を持って、銘柄選びや市場環境に関するアドバイスを求める人もいらっしゃいますが、田中さんはそういうタイプではありませんでした。資産運用に時間を取られたくないし、積極的に増やしたいという思いもあまりないようです。ただ、大切なお金だから、納得して預けられる適切な場に置いておきたいとお考えでした。

そんな田中さんにとっての「適切な場」の一つとして、国際分散投資による資産運用が可能なファンドラップ(GAIAで提供しているGMA-GAIA Monitored Account)をご提案しました。GMAは、最初にリスク許容度(投資家ご自身が許容できる変動幅の大きさ)に合った商品を選んでいただくことで、長期での成長を、銘柄選定などの時間をかけずに目指すことができる商品です。この特徴をご理解いただき、ご自身の方針と合っていると感じたということで、保有資産の一部をGMAに移す方針で検討を進めました。

まずはすでに持っている6本の投資信託を、持っていていい商品と、売却したほうが良い商品、そして「判断できない」商品とに分けました。それぞれの運用成績を同じ資産クラスの基準となる代表的な指数と比較し、成績が上回っている商品や同じ値動きをするインデックスファンドは持っていてよいと判断しました。一方、下回っているものは売却したほうがよい商品、新規設定されたばかりで成績が評価できない商品は、「判断できないもの」として分類しました。

こう分けると、売却したほうがよい商品を現金化してGMAに移したくなるところですが、実は個人投資家がメインとするべき国際分散投資では、「どんな銘柄を持つか」よりも「どんな資産割合で持つか」のほうが重要です。

持ち続けてもよい投資信託とご自分で選んだ個別株をそのまま保有し続け、その割合を把握した上で残り資金の配分を考える選択肢もありましたが、そうすると、現状の保有商品の投資先資産と新たに購入するGMAの中での投資先資産のバランスを調整する必要性が出てきます。

田中さんは、「それよりも、ゼロからベストな資産配分を組み立ててほしい」と希望されました。

確かに、田中さんのおっしゃる通り、資産の保有割合はなるべくシンプルに管理できるほうが分かりやすいですし、続けやすくもなります。そこで、個別株を含め、保有していた金融商品を全て売却して得た6000万円を、長期の国際分散投資を目的としたGMAでじっくり成長させていくことにしました。

選んだのはリスク許容度が10段階あるうちの、真ん中の商品です。投資先資産の構成としては、国内外の株式約6割、債券約4割で、インデックス運用とアクティブ運用の投資信託が、最適と考えられる割合で組み入れられています。

購入後に大きな値動きがあって資産配分に大きな変化が生じた場合でも、自動でそれを元に戻すリバランスを行ってくれるので、投資家は何もする必要がありません。安心して長期保有できることに、満足されたご様子でした。