足元のPMIは50台後半と高水準 見通しはそう暗くない

ISM 製造業指数は、昨年の新型コロナ感染抑制のためのロックダウンに伴う景気の急減速からの回復を受けて、現在概ね回復傾向にあります。2月1日に発表された1月のデータは、前月からやや低下し58.7 でした。

依然として好不況の分岐点である50 を大きく上回っています。これは、米国経済が好調で、しばらくはその状況が続くということを示唆しています。

ただ、米国では新型コロナの感染第三波がようやくピークアウトしてきているものの、新規感染者数自体は依然高めの水準であり、実際の経済が万全というわけではありません。こうした状況でもISM 製造業指数が高水準な理由には、活動規制の影響が製造業にとってサービス業に比べれば限られること、新型コロナの感染抑制に成功している中国等の経済が回復し、輸出が改善していること等が挙げられ、今後もしばらくは50 台後半と高めの数字で推移する可能性があります。

その場合の金融市場へのインプリケーションとしては、株式市場にとってはポジティブです。長期金利には上昇圧力が掛かるでしょうが、米国経済は新型コロナの影響から完全に回復し切っているわけではなく、FRB の積極的な金融緩和は継続されるとみられますので、長期金利の上昇ペースは緩やかなものとなると考えられます。