将来のライフプランを見据えて検討を

これまでお伝えしたとおり、選択制DCにおけるライフプラン手当の制度にはメリット・デメリットがあります。ですからなかなか判断が難しいところではありますが、選択にあたっての重要なポイントに「運用」という観点もあります。

毎月2万円を30年間拠出すると計720万円になりますが、仮に毎月2万円を平均利回り3%で運用できれば約1165万円になります。D Cで運用した場合には、大きく増える可能性があることに加えて、運用中の利益は非課税となります。

また基本的にDCは60歳から受け取ることができますが、受取時に一時金として受け取る場合には「退職所得控除」が適用となり、税制優遇の恩恵を受けることができます。一時金の金額によっては非課税で受け取ることも可能です。

現役時代の負担を減らしながら、将来の年金の準備をするという観点では、DCに拠出するのも良いと思います。ただし気をつけなければならないのは、DCは基本的に60歳まで引き出すことができないということ。大きく増える可能性がある一方で、運用次第では将来の受け取り額が減ることもあります。前沢さんは30歳ですので、今後、結婚やお子さんの誕生、転職などライフスタイルや働き方も変わる可能性があります。ライフスタイルが変化する時期には、お金に柔軟性を持たせておいた方がよいという判断もあるでしょう。

今回は選択制DCにおけるライフプラン手当のメリット・デメリットを中心にお伝えしましたが、大切なのは前沢さんの将来プランです。これを機に考えていただき、今後を見据えた上でどう選択するかを検討してみてくださいね。