株式型投資信託以外でおすすめの投資商品は「金」

さらに、現状保有している以外の投資先も気になっているようなので、別の商品もご紹介します。

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で株価が暴落しました。その一方で、金の価格が上昇しています。昔から金は、通貨の信用が落ちると、価値が上がるという特徴があります。そのような特性を生かし、金の保有を考えてもよいと思います。たとえば金積立のように、現物を積立で購入していく方法もありますが、すぐに売り買いできる手軽さからすると金の価格に連動するETFや投資信託がよいかもしれません。一部の金融機関では、iDeCoでそうしたファンドを扱っているところもあるため、iDeCoの中で積み立てることを検討してもよいでしょう。

なお、金については、安全資産としての保有をおすすめしているものであり、それほど多くの金額を積み立てる必要はないと考えます。毎月3000円から5000円程度、積み立てられればよいでしょう。

預金の預け先も吟味しよう

200万円の預金の預け先については、少しでも有利なところを選ぶことをご提案します。昨今、預金金利は低い状態が続いていますが、その中でも比較的高水準なのがネットバンクです。あるメガバンクの定期預金に1年間預けた場合の金利が0.002%に対し、ネットバンクなどでは0.01%、中には0.1%以上の金利を実現しているところもあります。

銀行の預金に近い存在として、個人向け国債もおすすめの商品です。元本割れがなく、なおかつ最低保証金利(0.05%)もあります。中でも10年ものの国債は変動金利となっており、世の中の金利情勢が上向きになると、それに連動して国債の金利も上がる仕組みです。すぐに使う予定のあるお金は普通預金、1年以上使わないお金は定期預金、10年使う予定のないお金は10年ものの個人向け国債、というように預け先を仕分けるとよいでしょう。

「がん保険」は検討する価値あり

Y・Wさんは、死亡や医療などの保険には加入していないそうですね。現在シングルということもあり、死亡保険に加入する必要はないと思います。ただ、「がん保険」は検討してもよいと思います。

なぜ医療保険ではなくがん保険なのでしょうか。医療費については、貯金のほか、高額療養費制度や健康保険から出る傷病手当金などで補うことを考えればよいと思います。がんについては、昨今「死」に至る可能性は低い病気とはなりましたが、一方で「再発」を繰り返す病気だと言われているのが特徴です。通院や入院を繰り返すことで、仕事を休まなければならなかったり、病院に通うまでの交通費などがかかったりします。そのための出費を、保険料が数千円程度のがん保険で備えておくと安心です。

余剰資金を作ることも大切 ! 食費と通信費の見直しを

英語教室や美容、服飾費はお仕事の都合上、削れない費用であるようですね。それらについては無理に削る必要はないと思います。

その代わり、「食費」と「通信費」は見直す価値のある支出だと言えます。平日の夕飯を1食1800円ほどかけることが月の約半分を占めるそうですが、15日分で2万7000円(1800円×15日)かかることを考えると、それなりに大きな出費だと思います。仮に1食1000円以内に抑えられたとしたら、1カ月1万2000円(800円×15日)の出費が減らせます。あるいは1800円の夕食は週に2回までとして、ほかの日は1000円以内に抑えるといったように、いきなり減らすのではなくメリハリをつけると上手くいきます。

そのほか、通信費は格安SIMに変えると、ぐっと出費を削減できます。そこで節約できれば、貯蓄や投資に回せるお金が増えます。

マンション購入のためには、計画的な貯蓄を

マンションの購入も気になっているそうですね。大きな買い物となるため、計画的に準備をすることを心がけてください。無理のない購入計画を立てるのであれば、頭金として、物件価格の2割と諸費用を準備することをおすすめします。住宅を購入する際には、物件価格とは別に物件価格に対して3~10%くらいの諸費用がかかることが一般的です。

仮に2000万円の物件を購入する場合、60万円から200万円の諸費用のほか、物件価格の2割の400万円を頭金として用意できることが理想的です。現在の貯蓄額からすると、もっと増やす必要があります。「○年後までに□万円貯める」というように具体的な目標を作ると、やる気も出るのではないでしょうか。

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趣味に仕事にと、毎日忙しくお過ごしのことと思います。ですので、資産形成は自動引落を利用した先取り貯蓄や、積立投資などの「ほったらかし運用」を基本として、ご自身の時間を充実させてください。

今回のアドバイスがY・Wさんの今後の人生にお役に立てれば何よりです。