投資信託は今の1本だけでなく、さらに分散させよう

インデックス型の外国株式(先進国)ファンド1本をつみたてNISA口座に毎月3万円ずつ積み立てているんですね。最初の1本として、外国株への投資はとてもよい選択だと思います。

ただし、資産を分散させるという視点からすると、投資先を増やしてみるのも一案です。たとえば、外国株だけではなく、国内株に連動するインデックス型のファンドを追加してみてはいかがでしょうか。日本株の代表的な指数に日経平均株価とTOPIXがあります。それらの指数に連動するインデックスファンドがおすすめですが、より分散投資の効果を狙うなら、TOPIX連動型のファンドを選びましょう。なぜなら、日経平均株価は日本を代表する225社の平均株価ですが、TOPIXは東証1部の全銘柄で計算している指数だからです。さらに、より成長性を狙うとしたら、米国株に投資するタイプのファンドを組み込んでみてもよいのではないでしょうか。

本来、株式暴落時の安全策として、株式とは反対の値動きをする「債券」に投資するファンドを組み込むという考え方もありますが、一般的な定年までに20年以上あるY・Wさんの場合は、積極的な運用を狙って株式中心でよいと思います。

iDeCoの併用を検討してみては?

37歳のY・Wさんは、そろそろ老後資金の準備をはじめてもよい時期です。そこで検討したいのが「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」です。現在、毎月つみたてNISAで投資信託を3万円ずつ積み立てていて、それとは別に2万円の貯金をしているそうですね。すべて投資に回すのでなく、元本割れしない貯金を組み合わせている点はとてもよい点です。

あくまで一案ですが、2万円の貯金はそのまま継続するとして、投資についてはつみたてNISAのみで積み立てるのではなく、3万円のうち2万円はiDeCoで、残りの1万円をつみたてNISAで積み立てることを検討してみてはいかがでしょうか。

つみたてNISAは、運用益に対する税制優遇が得られるとともに、20年という長期にわたる資産形成ができる制度ですが、iDeCoは税制優遇が得られる上に、原則60歳まで引き出せないことから、老後資金を確実に貯めるのに最適な制度です。

具体的には、iDeCoではインデックス型の外国株式ファンドとTOPIX連動型のインデックスファンドで、一方のつみたてNISAでは、インデックス型の外国株式ファンドに加え、米国株式ファンドも積み立てるプランで考えてみてはいかがでしょうか。もし毎月の積立額を増やせるのであれば、iDeCoとつみたてNISA、それぞれに2万円ずつ積み立てられるとなおよいですね。

どの“器”で何の商品を投資するのかを決める際は、保有している資産全体を考慮したプランを立てることを意識しましょう。