個人投資家として何を見るべきか
自身の保有銘柄を評価する際に参考にしたいチェックリストは次の3点である。
① 政策保有株式の対純資産比率
住友不動産の政策保有株式は書簡公表時点で26%であり、対するエリオットの要求は10%未満だった。有価証券報告書等でその比率と縮減の期限が具体的な数字で書かれているかを確認したい。
② 還元方針とROE目標の有無
住友不動産の場合は配当性向17%、ROE目標なしだった。数値目標と達成計画が開示されているか否かが企業価値向上への意欲を見定める物差しになる。
③ 株主総会での取締役選任案「賛成率」の前年差
住友不動産では会長に対する賛成率が76.72%から83.38%へ動いた。トップへの賛成割合の推移は臨時報告書で追うことができる。
一連の動きからは、アクティビストが提示した4つの数字が起点となり企業の資本政策やガバナンス開示の強化、さらには株主総会での賛成率という形で、投資家が順に追跡可能な客観的データへと落とし込まれていく流れがよく分かる。アクティビストがどこに着目し、どう企業を動かそうとしているのか。その「物差し」を自身のポートフォリオに重ね合わせることで、隠れた企業価値や変化の兆候を見抜ける可能性がある。
