4つの要求とゼネコン4社との「1,600億円・600億円」相互持ち合い
エリオットの要求は、指摘した4つの課題にそれぞれ明確に対応している。
• 株主還元:配当と自社株買いで、総還元性向を同業並みの50%以上へ即座に引き上げる。
• 政策保有株式:税引後5,000億円超の保有を、中期経営計画期間中に純資産の10%未満へ縮小する。
• ROE:目標を10%以上に設定し、成長事業へ資本を振り向ける等の達成計画を提示する。例として賃貸マンション資産のREIT(不動産投資信託)移管による5,000億円の資本解放などの可能性を示唆。
• ガバナンス:独立社外取締役の増員と、指名・報酬委員会を設置する。
政策保有株式の論点は、持ち合い先の数字に最も具体的に表れている。
住友不動産とゼネコン4社の政策保有株式
中でも大成建設、鹿島建設、清水建設、大林組の4社は、住友不動産株を合計1,600億円超保有する。住友不動産も4社株を600億円あまり保有する。エリオットは、4社が政策保有株式の積極的な売却を方針として公表している点を、住友不動産が売却を進める好機と位置づけている。
書簡には、直近の経営陣の動きを歓迎する記述も含まれている。住友不動産の新施策に自社の提案に沿った内容があるとしつつ、改善の余地はなお大きいとする。つまり、追加施策がなければ経営陣の再任に反対票を投じるというのが結論である。なお書簡には、自社保有に利害を持つ文書であり中立的とみなされてはならないとも明記されている。

