セコム「関連会社2社の筆頭株主」であるものの、持分26%・28%という「連結の距離」

S-1とタイワン・セコムは、セコムが筆頭株主でありながら、連結されていない。

セコムの持分は、S-1が26%、タイワン・セコムが28%で、売上高はそれぞれセコムの24.2%、7.2%に相当する。有報では、セコムグループは連結子会社148社と持分法適用関連会社17社で構成され、2社は後者に当たる。持分法とは、出資先の純損益のうち自社の持分を「持分法による投資利益」として取り込む処理だ。

S-1では、持分がセコムより低いサムスン(韓国の財閥サムスングループ、持分20.6%)がCEOの任命権を握っている。歴代CEOは、警備業界の経験を持たないサムスン出身者が続いた。FCPは、セコムが最大の出資者でありながら見合った扱いを受けていないと評価し、連結して経営の責任を明確にするよう求める。一方のセコム側は、グループガバナンスを事業等のリスクに挙げ、内部監査、グループ経営会議、内部通報制度で強化していると有報に記している。

連結の効果は、2つの面から読む必要がある。第1は利益の帰属だ。現在の持分に対応する利益は、すでに持分法投資利益として純利益に入っている。連結で変わるのは、損益が売上高や営業利益、EBITDAとして現れる表示区分と、追加で取得する持分の分である。第2は持分の水準だ。FCPの試算は50%+1株の取得を前提にする。連結売上高とEBITDAには2社の全額が入るが、セコムの株主に帰属するのは持分相当で、残りは非支配株主(親会社以外の株主)に帰属する。

追加投資額は、2026年9月25日の株価に30%のプレミアムを上乗せして、合計1,560億円(S-1 900億円、タイワン・セコム660億円)と試算される。現金の流出を伴う投資だ。FCPは、連結後のEBITDAにVerisureなみの倍率(EV/EBITDA 9.9倍)を当てはめ、2社の正味の現金資産も織り込んで、株価は2026年9月25日時点の6,335円から9,935円、少なくとも1万円まで再評価されると主張する。