義母と義姉が向ける厳しい視線

8月13日、清美と道明は予定通り昼過ぎに義実家に到着した。

玄関の扉を開けると、奥から悠里の長男が走ってきた。その後ろでは悠里が生まれたばかりの次男を抱いていた。産後間もないにもかかわらず、髪をきれいに巻き、淡い桃色のワンピースに小ぶりなピアスを合わせていた。

「大きくなったなぁ」

道明は長男をハグして頭をポンポンと叩いていた。

「兄貴もいます?」

道明の質問に悠里が答えた。

「今日はホテルの宿直なの。明日の朝には帰ってくるって言ってたわ」

すると、ひろ子も玄関までやってきて清美たちを出迎えた。膝を痛めているため歩みは遅かったが、白髪交じりの髪はきれいに整えられ、水色のブラウスに白いパンツを合わせていた。

「お久しぶりです。今年もお世話になります」

頭を下げると、ひろ子は返事をせずに視線を清美の頭から足元までゆっくりと動かした。

清美は薄い紺色のワンピースに、飾りの少ないベージュの靴を合わせていた。電話で言われたことを気にして、いつもより時間をかけて選んだ服だ。

だが、ひろ子は鼻を鳴らしただけで、道明へと視線を移した。

「ほら、ここじゃ暑いから早く上がりなさい。麦茶も用意してるからね」

靴を脱いで清美が玄関を上がると、悠里と目が合った。悠里は清美の服装を一通り眺めると、何か言いたげに首をかしげていたが、やはり何も言わずにリビングへと向かっていった。