「けん引役の不在」が課題 アラミド・炭素繊維は成長市場に注力

帝人は今期に大幅な増益を計画しており、足元の株価上昇を支えています。ただし、利益の回復はリストラ効果に支えられた部分が大きく、PBRは低位にとどまります。投資家は、「リストラ後」の本格成長をイメージできていないのかもしれません。

もっとも、逆風ばかりではありません。アラミド繊維は、防衛や海底ケーブルといった高付加価値用途において経済安全保障の観点から需要が見込まれるほか、炭素繊維は旅客機向けが引き続き成長する見通しです。帝人は、これらの領域に集中する計画であり、顧客起点型ビジネスへの転換を進めつつ取り込みを図ります。

株価は5年ぶりの高値圏まで戻していますが、あくまで「最悪期は脱した」との評価が強い状況です。投資家のさらなる評価を獲得するには、構造改革の進展だけでなく、次の成長ドライバーを示せるかどうかがカギを握りそうです。