投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。

今回取り上げるのは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だ。同社が運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」と並び、資産形成層に絶大な人気を誇る1本といえる。純資産総額は7月10日現在で12兆5535億円を超えており、日本の公募投信の中では「オルカン」に次ぐ資産規模となっている。なぜこれほど支持されているのか? 本稿ではその理由をひも解いていく。

当ファンドは、米国株式ファンドに分類されるインデックス型投信である。設定は2018年7月3日。S&P500指数(配当込み、円換算ベース)への連動をめざし、対象指数採用銘柄を中心に投資する。運用は主にS&P500インデックスマザーファンドへの投資を通じたファミリーファンド方式で行われ、コース設定はない。

S&P500に連動する公募投信の中では、日本で最も純資産総額の多いファンドである。

S&P500指数は時価総額加重方式のため、同ファンドも時価総額の大きい銘柄ほど組入比率が高くなる特徴がある。実際、組入上位10銘柄の合計比率は35.7%に達し、内訳はNVIDIA7.3%、Apple6.4%、Microsoft4.2%、Amazon3.6%、Alphabet(CL A)3.2%、Broadcom2.7%、Alphabet(CL C)2.6%、Micron Technology2.0%、Meta Platforms1.9%、Tesla1.8%となっている。

業種別でも「半導体・半導体製造装置」18.6%、「テクノロジ・ハードウェア・機器」10.5%の2業種で全体の3割弱を占める(2026年6月30日現在)。組入銘柄数自体は503銘柄と幅広いが、指数の値動きは上位の大型ハイテク株の動向に相応の影響を受ける構造になっている点は押さえておきたい。

ここ数年の米国株の好調を受け、多くの個人投資家の支持を受けた人気ファンドだ。特に資産形成層においては、その上昇率からトレンド的に話題になったが、本来は長期で投資したいインデックスファンドのひとつといえる。

運用管理費用(信託報酬)は年率0.08140%(税込)以内と低水準で、購入時手数料・信託財産留保額はいずれも無料。

NISAは成長投資枠・つみたて投資枠の両方に対応している。