投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。
今回取り上げるのは、アモーヴァ・アセットマネジメント(旧社名:日興アセットマネジメント株式会社)が運用する「日本成長戦略株式ファンド(愛称:成長戦略ジャパン)」だ。同ファンドは2026年8月28日に設定されたばかりの新ファンド。9月3日現在で純資産総額は8億9300万円となっている。このファンドはどのような特徴を持つのか。本稿ではその内容をひも解いていく。
政府の「骨太方針」に沿った投資分野を追求
「成長戦略ジャパン」は、日本政府が経済成長に向けて推進する政策によって収益機会の拡大が見込まれる企業の株式に投資する、国内株式ファンドに分類されるアクティブファンドである。商品分類は追加型投信/国内/株式。
運用にあたっては、政府文書や有価証券報告書などの情報をもとに、政府の成長戦略で着目される分野と各企業の事業内容との関連性(「テーマ純度」)についてAIを用いてスコア化し、そのうえでファンダメンタルズや株価バリュエーション、時価総額・業種間のバランスなどを加味して銘柄を選定する。主要投資対象は「日本成長戦略株式マザーファンド」受益証券で、ファミリーファンド方式を採用する。
政府の政策動向は時勢に応じて変化するため、着目分野や組入銘柄・業種構成もそれに合わせて機動的に入れ替わっていく設計であり、当初のテーマ設定に固執せず政策の重心変化を追い続けようとする点は、アクティブ運用らしい特徴といえる。
信託報酬(実質的な負担)は年1.089%(税抜0.99%)で、テーマ性を持つ国内株式アクティブファンドとしては比較的抑えられた水準にある。NISAでは成長投資枠の対象商品である。
なお、日本政府の発表している日本成長戦略の「17の戦略分野」は2026年7月21現在で以下の通り。
①AI・半導体 ②デジタル・サイバーセキュリティ ③情報通信 ④量子 ⑤防衛産業 ⑥航空・宇宙 ⑦海洋 ⑧造船 ⑨マテリアル(重要鉱物・部素材) ⑩合成生物学・バイオ ⑪創薬・先端医療 ⑫資源・エネルギー安全保障・GX ⑬フュージョンエネルギー ⑭防災・国土強靱化 ⑮港湾ロジスティクス ⑯フードテック ⑰コンテンツ
同ファンドでも上記産業に関連した分野のうち、有望な銘柄への投資が今後期待されるだろう。
