投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。
今回取り上げるのは、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だ。純資産総額は8月10日時点で3兆108億円を超えている。Dコースのほかに、為替ヘッジと決算頻度の組み合わせで、Aコース(為替ヘッジあり・年2回決算)、Bコース(為替ヘッジなし・年2回決算)、Cコース(毎月決算型<為替ヘッジあり>・予想分配金提示型)、Eコース(隔月決算型<為替ヘッジなし>・予想分配金提示型)があり、全コース合わせて5兆円以上の純資産額を誇る。なぜそこまで支持されるのか。本稿では最も人気の高いDコースを紹介し、その秘訣を探っていく。
持続的な成長が期待される米国大型グロース株に投資
米国の大型グロース株を50-70銘柄に絞り込むアクティブ運用に、毎月決算・予想分配金提示型の分配ルールを組み合わせたファンドである。
設定は2014年9月。近年人気の高まりつつある米国のグロース株厳選型のアクティブファンドとしては、先駆け的な存在といえる。マザーファンド「アライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンド」を通じて米国株式に投資するファミリーファンド方式で、株式等の組入比率は98.5%(2026年6月末、マザーファンドベース)。分類は米国株式ファンドにあたる。
運用はアクティブ型だ。リサーチ・アナリストとポートフォリオ・マネジャーがボトムアップでファンダメンタルズ分析を行い、財務分析に加えESGなど非財務面も加味して、高い利益成長または持続的な利益成長が見込めると判断した企業を選別する。ベンチマークはS&P500株価指数(配当金込み、円ベース)。
その結果として、ポートフォリオの中身は固定されない。最新の月次レポート(2026年6月30日時点)の組入上位はエヌビディア8.3%、アルファベット8.0%、アマゾン・ドット・コム4.7%で、2025年12月末に組入3位だったマイクロソフトは上位10銘柄から外れている。また委託会社が適切と判断した場合に米国以外の発行者による米国預託証券(ADR)※や優先証券などへ投資することがあるとされており、実際に台湾企業の台湾セミコンダクターを2.5%組み入れている。こういった銘柄入れ替えを伴う運用裁量こそが、この商品の中核といえる。
※米国以外の国で設立された企業が発行した株式を裏付けとして米ドル建てで発行される有価証券。通常の米国株のように売買され、米国の証券取引所に上場されているものもある。
Dコースの特徴は分配の仕組みにある。毎月15日決算で、基準価額に応じて分配金額が決まる予想分配金提示型を採用。基準価額1万1,000円以上1万2,000円未満なら200円、1万4,000円以上なら500円といった具合に、水準ごとの目安が設定されている(1万1,000円未満は基準価額の水準等を勘案して決定)。
受賞歴は、「R&Iファンド大賞2026」の投資信託/北米株式グロース部門で優秀ファンド賞を受けている。
NISAについては、対象外となっている(A、B、EコースはNISA成長投資枠の対象)。なお、CコースとDコースの間ではスイッチング※も可能だ。
※スイッチングについては販売会社によって取り扱いが異なるため確認が必要
