投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。
今回取り上げるのは、フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」だ。純資産額は7月23日時点でシリーズ合計1兆円を超える。なぜそれほど人気なのか。ここでは、最も人気の高い「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)B(為替ヘッジなし)」(純資産額7494億円、7月23日時点)を取り上げ、その理由をひも解いていく。
「ハイ・イールド債券」はどんな商品?
「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)B(為替ヘッジなし)」は、アメリカの「ハイ・イールド債券」に投資する米国債券ファンドだ。ファミリーファンド方式で、実質的に「フィデリティ・USハイ・イールド・マザーファンド」を通じて米ドル建て高利回り事業債へ投資する。
米国では企業の資金調達の手段として社債の発行が盛んで、マーケットの規模も大きい。「ハイ・イールド債券」とは、企業が発行する債券のうち、格付け機関による信用格付けが低い債券のことを指す。格付け機関のムーディーズでBa以下、S&PでBB以下の債券を指し、格付けが低い代わりに高い利回りが期待できる。その中からハイ・イールド債券運用では業界最大規模のフィデリティの運用チームが企業調査・分析を行って銘柄選定を行っているのが「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」だ。
信用格付けが低い企業というとデフォルト(債務不履行)の懸念を抱いてしまうが、実際にはハイ・イールド債券を発行する企業のうち過去に支払いが滞った企業は5%未満※といわれている。格付けが低い企業の中には一般的によく知られている企業もあり、一概にリスクが高いとはいえない。一方でハイ・イールド債券から得られる利回りは国債などに比べても魅力のある水準となっている。
※ 出所:Moody'sよりフィデリティ投信作成資料。1997年1月末~2025年4月末時点。過去12カ月、米国ハイ・イールド債券の発行体ベース。
マザーファンドの組み入れ上位銘柄はエコスター(1.8%)、アクリシュア・ホールディングス(0.8%)、ビストラ・コープ(0.7%)、ネプチューン・ビッドコUS(0.7%)、トランスダイム(0.5%)など(2026年5月29日現在)。通信、金融サービス、資本財など、組み入れの業種は比較的幅広く分散されている。
本ファンドのほかに「(毎月決算型)A(為替ヘッジあり)」「(資産成長型)C(為替ヘッジあり)」「(資産成長型)D(為替ヘッジなし)」「(隔月決算型)(為替ヘッジなし)」の4コースが設定されており、Cコース、Dコース、隔月決算型がNISA成長投資枠の対象となっている。
なお、、R&I ファンド大賞2025では、「投資信託10年/米国ハイイールド債券」部門の最優秀を受賞している。
