投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの“推し”投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。

今回取り上げるのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「世界経済インデックスファンド」だ。純資産総額は8月4日時点で5759億円を超えている。なぜこれほど支持されているのか? 本稿ではその理由をひも解いていく。

世界の株式・債券に50%・50%で投資

ファンドの長所をひとことで言えば、資産配分の物差しを「時価総額」ではなく「GDP(国内総生産)」に置き換えたバランスファンドである点だ。

2009年1月16日設定。株式と債券の基本配分比率は原則50%ずつで、資産運用業協会の分類ではバランスファンド(追加型投信/内外/資産複合)にあたる。運用はインデックス型で、国内・先進国・新興国それぞれの債券と株式に対応する6本のマザーファンドを通じ、NOMURA-BPI総合、TOPIX、FTSE世界国債インデックス、MSCIコクサイ・インデックス、JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシファイド、MSCIエマージング・マーケット・インデックスの各指数への連動を目指すファミリーファンド方式を採る。

地域別の基本組入比率はGDP総額の比率を参考に決定され、2026年6月末時点で日本10%、先進国55%、新興国35%となっている。為替ヘッジは原則行わない。R&Iファンド大賞2026の「投資信託10年/バランス型(標準)」部門で優秀ファンド賞を受賞している。

このGDP基準という設計は、実際のポートフォリオの姿にもはっきり表れている。ファンド全体の組入上位国・地域は米国33.78%、日本9.64%、中国6.81%、台湾4.67%、韓国4.35%、インド3.79%。新興国に35%を割いたぶん東アジアの比重が高い。

実質的な保有銘柄は、外国株式マザーファンドの上位がNVIDIA5.28%、アップル4.85%、マイクロソフト3.05%。一方で、新興国株式マザーファンドではTSMC14.60%、サムスン電子7.77%、SKハイニックス7.47%が並び、同マザーファンドの業種別では半導体・半導体製造装置26.85%とテクノロジー・ハードウェア16.69%で4割超を占める。GDP比という物差しを通した結果として、東アジアの半導体産業に厚みが出るポートフォリオになっているのは大きな特徴といえるだろう。

さらに、新興国債券を17.5%組み入れている点も、このファンドの特徴だ。ベンチマークは現地通貨建て債券の指数で、組入上位はインド10.04%、中国9.79%、メキシコ9.69%となっている。

NISAでは成長投資枠・つみたて投資枠の双方が対象だ。

なお、同ファンドには株式・債券の組み入れ比率を変えた「株式シフト型」「債券シフト型」のコースも設定されている※。

※「株式シフト型」は株式75%・債券25%のポートフォリオ、「債券シフト型」は株式25%・債券75%のポートフォリオを採用(2026年2月末現在)。また、「債券シフト型」はNISA成長投資枠のみ対象