ケースで考える第5号加入者のポイント

第5号加入者になるかどうかの判断ポイントをケースで考えてみましょう。

①60歳で企業を退職してフリーランスで仕事をしている人(現在は企業型DCの運用指図者)

大学卒業後、企業に就職して60歳で退職。厚生年金は38年の被保険者期間があり、公的年金の受給は65歳からと考えています。退職時に退職一時金を受け取っていますが、退職所得控除の枠は少し残っています。

【ここがポイント】企業型DCの資産をiDeCoに移換することで第5号加入者になれます。資産移換すると、退職所得控除の勤続期間も上乗せされるので、iDeCoの掛金を1年拠出すると、1年あたり70万円の控除枠が増えます。

これは大きなメリットです。

②国民年金の任意加入被保険者になっていたが、保険料納付済み期間が480月に達した自営業の60代(現在はiDeCoの運用指図者)

【ここがポイント】2026年12月以降であれば、70歳まで第5号加入者になれます。拠出限度額が月額6万2,000円と、今の第1号加入者よりも下がりますが、所得控除メリットと運用益非課税を活用して公的年金の上乗せ給付とすることができます。

③確定給付企業年金(DB)のある企業に働いている59歳の人

現在はiDeCoの加入者でも運用指図者でもありません。60歳でDBの資産を受け取ったとしても特に使い道がなく、定年退職後はしばらく仕事をする予定はありません。

【ここがポイント】DBの資産をiDeCoに移換することで第5号加入者になれます。退職時にDBの給付を受けずに移換してiDeCoの掛金を拠出することで、退職所得控除の勤続期間を延ばすことにもつながります。

DBは受け取ってNISAで運用も考えましたが、成長投資枠はタイミングが難しい一方、つみたて投資枠は年間120万円なのでDB資産を全額移すには時間がかかりすぎると考えています。

④再雇用で働いていた企業を65歳で退職した人

60歳時点で退職一時金を受け取り、退職所得控除の枠は使い切っています。

60歳からiDeCoの加入者になっていましたが、再雇用で働いていた会社を退職したため、iDeCoの運用指図者になりました。

【ここがポイント】移換がない場合、退職所得控除は加入者になった年が1年目となります。この場合、退職所得控除は1年あたり40万円です。60歳から65歳の5年間で退職所得控除枠は200万円になりました。もう少し、退職所得控除枠を延ばしてから受け取りたいと考えています。なお、60歳以降でiDeCo加入者になると、加入者になったときから5年経過しないと受け取りができません。

⑤60歳を超えても現役の医師

【ここがポイント】厚生年金適用事業所ではないため、60歳でiDeCoの運用指図者になっています。まだまだ仕事を続ける予定のため、拠出時の税優遇は大きなメリットです。第5号加入者は拠出限度額が月額6万2,000円と第1号被保険者より抑制されますが、所得税・住民税の軽減効果を活用したいと考えています。