確定拠出年金(DC)企業型を実施する企業を定年退職する何人かの方から、相談されたことがあります。「60歳以降も何らかの形で働くつもりなので、個人型DC(iDeCo)の加入者(掛金を拠出する人)になりたい」、と。
しかし、たいていの場合、iDeCoの加入者の条件に当てはまりませんでした。確認ポイントは、次の2点です。
・今の企業を退職後も厚生年金被保険者になる働き方をするかどうか?
・国民年金の任意被保険者になれるかどうか?
シニア世代の働き方は、現役時代以上に人それぞれに多様化しています。たとえば、自営業として少しだけ働きたい、フリーランスになりたい、NPO法人でボランティアをしたい、などです。こうした働き方の場合、これまではiDeCoの加入者になれないことがほとんどでした。
しかし、2026年12月以降はiDeCoの第5号加入者という選択肢が増えます。
「資産所得倍増プラン」の提言が端緒
iDeCoの第5号加入者は、下記の要件となります。
・60歳以上70歳未満の公的年金の被保険者以外
・iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者
公的年金の被保険者以外、という点が大きな特徴です。従来のDC制度は「公的年金の上乗せ」が大前提だったため、大きな転換点といえるでしょう。
第5号加入者の誕生は、2022年の「資産所得倍増プラン」が端緒となっています。当時は、iDeCoの資格喪失年齢が2022年5月に65歳に引き上げられたところでした。続いて「資産所得倍増プラン」では、さらなる引き上げ(70歳まで)が提言されました。高年齢者の就業確保措置について、企業の努力義務が70歳まで伸びたことも背景にあります。
一方、公的年金のうち国民年金の対象年齢は20歳から60歳です。60歳以降も(保険料の納付済み期間が480月になるまでは)任意加入できますが、それも65歳までとなっています。iDeCoを70歳まで加入可能とするための条件が「iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者」だったのです。
なお、企業型DCでは規約で定めれば厚生年金被保険者の間(70歳まで)は、企業型DC加入者になれる選択肢があります。
