不動産ファンドに個人が投資できなかった理由
では、なぜ個人投資家の方々のポートフォリオには、こうした資産がほとんど入っていないのか。
Finaseeの読者調査でも、国内不動産に投資されている方はわずか3.5%(2025年6月、n=460)。これは「興味がない」のではなく、そもそもアクセスする手段が限られていたというのが実態に近いと、私は考えています。
少し舞台裏をお話しすると、私たちが日ごろ取り扱う機関投資家レベルの物件は、数十億〜数百億円規模に及びます。投資家の数も限られていて、途中で現金化したくなっても簡単にはできません。
仮に規模を小さくしたマンションのワンルーム投資であっても、「最低投資額」「情報量」「流動性」—これは、個人の方にとっての壁となります。
ただ、この壁は、いま少しずつ低くなりつつあります。技術や制度の変化によって、かつて機関投資家だけのものだった資産に、個人の方でも触れられる選択肢が生まれ始めている。この連載では、その変化の中身をひとつずつお見せしていくつもりです。
「NISAの隣に何を置くか」を考えてみる
NISAでインデックス投資をされている、その判断は長期の資産形成としてきわめて理にかなったものです。この連載は、その隣に置けるかもしれない「もうひとつの資産」の存在を、みなさまと一緒に考えていく12回にしたいと思っています。
次回は、「機関投資家がなぜすべての資産を株式で持たないのか」というテーマについて、もう一段深くのぞいてまいります。
それでは、また来月お会いしましょう。
※本記事は資産運用に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。不動産をはじめとするオルタナティブ資産への投資には、市場環境や個別資産の状況により価値が変動するリスク、途中換金が制限される流動性リスク等があり、元本を割り込む可能性があります。投資判断は、投資対象の契約締結前交付書面や目論見書等をよくお読みいただき、各種リスクを十分にご理解のうえご自身でなされますようお願いいたします。
