2026年度の投資環境見通し:マクロ環境・金融環境

マクロ環境:戦後最長に迫る国内景気に立ちはだかる供給制約問題

内閣府の認定では、国内景気は2020年6月から新たな拡大局面に入っており、2026年5月時点で72ヵ月目を迎えました。7月まで景気拡大が続けば「いざなみ景気」の73ヵ月(2002年1月~2008年2月)を抜き、戦後最長となります。その記録更新を阻む要因となりかねないのが、サプライチェーンの混乱です。

3月鉱工業生産は、ナフサ不足でエチレンなどの生産が落ち込み、前月比は予測値の+1.1%に対し▲0.5%と2ヵ月連続のマイナスとなりました。この先特に注意すべきは、日本の製造業が供給先の多元化を進めてきたアセアン諸国からの部材供給です。アセアンはエネルギーの対外依存が高い国が多く、ホルムズ海峡を巡る混乱が続いた場合、同地域からの供給制約が顕在化する恐れがあります。想定される障害は以下の通りです。

①電力不足問題:エネルギーの不足や価格高騰が、工場の稼働制限に直結。
②代替困難な部材がボトルネック化:コロナ禍の2021年には、ベトナム産のワイヤーハーネスやマレーシア産のマイクロプロセッサーの供給障害が発生し、自動車各社が大規模な減産に追い込まれる事態が発生。
③物流面の障害:輸送コスト高騰で、生産ができても輸送に障害が発生する場合。

アセアン諸国の製造業PMIを見ると、構成項目の一つである仕入先納期DIが足元で長期化しており、供給制約が深刻化する兆候が出ています(下図下段)。ゴールデンウィーク中には高市首相がベトナムを訪問し原油調達支援を取り決めるなど、日本政府も対策に乗り出しています。国内景気を見通す上で、アセアン諸国の生産動向を注視することが極めて重要と考えます。

 

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