<前編のあらすじ>
太田さん一家は、妻・郁子、長男・拓斗、次男・悠莉の四人家族。
このうち、長男の拓斗さんは、一時バンド活動をしており、必要な資金として太田さんから600万円を借金していた。
太田さんの死後、遺言書には「遺産は妻・郁子と長男・拓斗、次男・悠莉で均等に分ける」と書かれていた。
そのため、長男の拓斗さんの借金(債権)も、均等に分けることになったが、拓斗さんは家族への借金返済を拒否したため、相続が泥沼化してしまった……。
●前編:【「今さら返せって言われても納得できないよ!」バンド活動で「借金600万」の長男が家族の前で逆ギレした理由】
「今さら返せって言うのはおかしい!」
「今さら返せって言うのはおかしい!」私の事務所の応接室で拓斗さんが叫ぶ。
なぜこのような状況に陥ったのかと言えば、作成者として、遺言書の内容を拓斗さんに説明してほしいと、郁子さんと悠莉さんから求められたからだ。
この説明の場には郁子さんと悠莉さんも同席していた。それぞれ、拓斗さんに落ち着くよう促しているのだが、聞く耳を持たない。
「そんな昔の話、蒸し返す必要あります?」と反発し続けている拓斗さんに、借金を返してもらう権利は各相続人に承継されること、それは親子を含む家族間でも同じであることを私から説明する。
結局1時間ほどかけて説明したものの、拓斗さんは納得しなかった。ただ、その日は郁子さんの「一度出直しますね、今日はすみません」という一言でお開きとなった。
