NISA口座における各年の買付額ゼロ円の口座比率(2014年~2024年)
*取引後に廃止された口座分も含む、ロールオーバーによる受け入れも買付額に含む
これを見ると、買付額ゼロ円口座の比率は低下傾向にあるとはいえ、2024年末時点でも40%近い水準であり、「NISA口座は約4割も未稼働なのか?」との印象を受ける。しかし、この数値はあくまでも、各年ごと(1年単位)で買付がなかった口座の比率に過ぎない。例えば、2023年に買付があった口座であっても、2024年に買付がなければ、2024年の買付額ゼロ円口座にカウントされることになる。
なお、NISA口座全体の買付額ゼロ円口座比率が、2023年までの旧NISAでは一般NISAの比率とつみたてNISAの比率との間にあるのに対し、2024年からの新NISAでは、成長投資枠の比率とつみたて投資枠の比率をいずれも下回る水準にある。これは旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAが併用不可だったのに対し、新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠は併用可であることが影響している。
例えば、新NISAの口座が世の中に2口座だけ存在し、一方が成長投資枠のみの買付、もう一方がつみたて投資枠のみの買付だったとすると、成長投資枠、つみたて投資枠とも買付額ゼロ円口座比率は50%であるが、NISA口座全体で考えれば2口座とも買付があるため、買付額ゼロ円比率は0%になるといった具合だ。
各年の買付額ゼロ円口座を未稼働口座と見做すのは、未稼働口座という用語に確立された定義があるわけではないため誤りではないし、説明する内容によっては適切な場合もあろう。しかし、未稼働口座という言葉の持つイメージと、各年の買付額ゼロ円口座が示す事実との間には少なからずギャップがあるように思われる。もし、「NISAの未稼働口座とは、どのような口座だと思いますか?」と問われれば、多くの人は「口座開設後に売買が全くなく、残高もゼロ円の口座」と回答するのではないだろうか。
このように「NISA口座の利用状況調査」では、かゆいところに手が届かない感はあるものの、NISA口座の状況を俯瞰する定量データは、この調査にほぼ限られるため、限界を認識した上で、もう少し深掘りしてみたい。グラフは、NISA口座全体の買付額ゼロ円口座比率の推移を年代別に示したものである。

