<前編のあらすじ>
尾崎良恵さん(仮名・36歳)は、息子の拓海君(仮名)の育児に追い詰められ、うつ病を患いました。拓海君には注意欠如多動症の疑いがあり、集中力が続かず感情のコントロールも苦手で、幼稚園ではトラブルが絶えませんでした。
お迎えのたびに保育士から苦言を受け、ママ友からは距離を置かれ陰口をささやかれる日々。良恵さんは我が子を叱ってばかりの自分を責め、自己嫌悪に苦しみます。職場でもミスが増え、上司から注意を受けるように。ストレスから夫との言い争いも絶えなくなりました。
誰にも相談できないまま眠れない夜が続き、食欲も笑顔も失われていきます。そしてある朝、良恵さんはついに限界を迎えてしまったのです。
●前編【幼稚園でトラブル頻発の息子…孤独な育児で36歳母の心が崩壊した日「何もかもがうまくいかない。私は一体どうすればいいの」】
「体が鉛のように重い」突然訪れた限界
ある朝、良恵さんが目を覚ますと、今までに感じたことがないほど体が重くなっていました。頭の中に霧がかかったような感じもしており、思考がうまくまとまりません。
「ごめんなさい。体調を崩したみたい……」
何とか声を絞り出し、夫にそう伝えました。その日は一日のほとんどを寝床で過ごしましたが、翌日になっても改善はしませんでした。良恵さんの目は虚ろで会話もままなりません。
心配した夫は良恵さんを病院に連れて行き、内科を受診させました。しかし体に異常は見つかりませんでした。内科の医師に今までの経緯を伝えたところ「ストレスのせいかもしれません。精神科を受診してみてはどうでしょうか」と言われました。
そこで精神科を受診したところ、うつ状態にあるとの診断を受けました。精神科の医師からは「しばらく仕事は休んだ方がよいでしょう。お子さんは小さいようなので、ご主人だけでなく、祖父母の助けも借りることも検討してみてください」とも言われました。
良恵さんは主治医の指示に従い仕事をしばらく休み、実母にも助けを借りることにしました。
