「運用と保障は分けて考えるべき」の助言に納得

片桐さんは、「満期まで時間がないので、できるだけ早くご意見をうかがいたいんです」という私の不躾なお願いを快く受けてくださり、メガバンクを訪れた翌週に片桐さんの事務所でお会いすることになりました。

「保険を売らない中立の保険相談」をモットーにするくらいですから、強固な信念を持つタフネゴシエーター的な人物像を想像していました。しかし、実際にお会いすると、58歳の私の母と同年代くらいで、明るく飾らない人柄に強張っていた肩の力が抜けるのを感じました。

片桐さんは私が手土産に持参したフラン(カスタード系のスイーツ)を開け、「おもたせで悪いけど」と香りのいい紅茶を淹れてくださり、和やかな雰囲気の中で相談がスタートしました。

私が持ち込んだ資料やシミュレーションに目を通した後、片桐さんはいたずらっぽい笑みを浮かべて「木下さん、10年後には今日ここに来て良かったと思うわよ」とおっしゃいました。そして、こんな説明をしてくれたのです。

「減らしたくないお金と大きく増やしたいお金って違うわよね。片桐さんがご親族からいただいた結婚祝いは絶対に減らしたくないお金。だとすれば、利息はイマイチでも元本が保証されている金融商品に預けた方がいい。個人向け国債だって10年前から比べればかなり利回りが上がっているわけだから、悪い選択肢ではないでしょう?」

「インフレ対策が必要なのは行員さんのおっしゃる通りだけれど、私は、運用と保障は基本的に分けて考えるべきだと思っています。異なる機能を無理に1つの商品に入れることで商品性が複雑に、分かりにくくなるから」

「そもそも、木下さんはつみたてNISA(少額投資非課税制度)で既にインフレ対策を始めている。そこをもっと強化したいなら、余裕資金で現状毎月3万円の積み立て額を増やせばいい。 変額個人年金保険の手数料より、木下さんが積み立てている投資信託の信託報酬の方がずっと安くてお得なはずよ」

片桐さんの指摘は1つ1つが的確で、十分に腹落ちするものでした。さらに、片桐さんは、私が気にかけていた保障の部分についても詳しく解説してくれました。