会社の経営が急に悪化…
しかし、60歳になり、嘱託勤務が始まってからしばらくすると、勤務する会社の経営が悪化してしまいます。その結果、全社的な人員削減を余儀なくされ、嘱託社員の契約も更新しないことになりました。
耕一郎さんは65歳まで契約の更新を希望していたにもかかわらず、61歳になった時に契約満了となり退職することになったのでした。
退職が決まると、収入が途絶えるため、退職後の生活が不安になりました。そこで真っ先に思いついたのが年金の繰上げ受給です。
「年金は65歳になる前でも受け取れるんだし、こういう時のための繰上げじゃないか」「繰上げによる減額は1カ月につき0.4%、61歳からの繰上げなら減額は19.2%(0.4%×48カ月)だな」と耕一郎さんは計算します。
もともと早めに年金を受け取りたいとは思っていたので、契約満了が告げられた直後、61歳になる前に耕一郎さんは繰上げ受給について相談しようと年金事務所へ行きました。
繰上げを引き留められる
耕一郎さんは職員に「仕事を辞めることになり、61歳から繰上げ受給したいんです。19.2%減額されるのは仕方ないと思っていますし、それも承知しています」と告げました。
耕一郎さんの場合、本来なら年金受給は65歳開始で年間220万円だったところ、繰上げ受給すれば年金額は19.2%減り、年間178万円での受給になると言われます。
耕一郎さんはそれを聞いて「以前は61歳から繰上げ受給すると、確か0.5%×48カ月で24%も減額されていたはず。それと比べると減額も少ないみたいだし、悪くはないな……」と思いました。
しかし、職員から繰上げには注意点があると告げられ、もう少し待ってから繰上げすることをすすめられたのです。
退職すると給与収入がなくなり、年金収入が頼りになるはずなのに、なぜ職員はもう少し待つように言ったのでしょうか。
●年金以外にも頼れる保障があるのでしょうか? 後編【「年金事務所よりハローワークに行ってください」61歳で無職になった男性が実感した「社会保障のありがたみ」】で詳しく解説します。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
