兄に聞かされた結婚の経緯…幼なじみの男気に完敗
さらに、兄から聞かされた恵との結婚の経緯も、私の胸を抉るものでした。
恵は双子の男の子を出産し、子育てをしながら仕事を続けていたのですが、当時の旦那さんは子育てには無関心でほぼワンオペ状態。それどころか、子どもの夜泣きが激しくなると、「俺は明日仕事なのに眠れないじゃないか」と恵や子どもに暴力を振るうようになったのだそうです。
恵はDVに耐え切れずに離婚。しかし、シングルマザーとして2人の子どもを育てていくのは容易なことではなかったのでしょう。そこで、双子の小学校入学を機に実家に戻り、再出発を図ったのです。その際、「うちの会社に来ないか?」と声をかけたのが大輔だったそうです。
恵は大輔の会社の事務員として働きながら、双子を大学に進学させました。そして、双子が大学生になったタイミングで、大輔と入籍し、大輔の家で同居を始めたのでした。再婚の恵の負担になってはいけないからと結婚式は行わず、近所や取引先には2人で挨拶に回ったようです。
兄は「お前とはゆっくり話す機会もなかったし、大輔君のことはまぁ、そのうちにと思って」とフォローしましたが、7年も家に帰っていなかったのですから仕方がありません。
それよりも、多少の下心はあったにせよ、苦境の恵に救いの手を差し延べ、恐らくは子どもの進学資金も援助する大輔の男気には「負けた」と思いました。
しかも、大輔は経営者、片や、私は“社内失業状態”です。
地方とはいえ建設業界は人手不足だそうですから、大輔の会社はゆうに億単位の売り上げがあるのでしょう。生涯年収3億円の達成も危うい我が身を振り返り、心底、情けない気持ちになりました。
私が以前ネットで読んだ記事には、アメリカではAIの進化でホワイトカラーの求人が大きく減り、AIの手が届きにくい現場作業を中心にブルーカラービリオネアが増えていると書いてありました。まさに、私と大輔のことです。
もう一度、高校時代に戻って人生をやり直せたら――。新部署への異動直前になっても、後悔にさいなまれる日々を過ごしています。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
