資産形成・資産運用にまつわる実践的かつ効果的な情報提供を行うMUFG資産形成研究所。同研究所のウェブサイトに掲載された論文・レポートを再編集してお届けする(掲載元の執筆日:3月16日)。
はじめに
企業型確定拠出年金(以下、DC)はマーケット環境も追い風となり順調に拡大を続けています。本稿は昨年のレポートのデータを刷新し、運営管理機関連絡協議会発行の確定拠出年金統計資料(2025年3月末)(以下、運管協資料)のデータに、NPO法人DC・iDeCo協会発行の企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査(2025年版)(以下、DC意識調査)の内容を加えて、「DCの現状と今後」を読み解いていきます。
企業年金の普及状況とDCの位置付け
棒グラフは確定給付企業年金(以下、DB)およびDCの制度創設以来の加入者数を示しています。
青で示したDBは適年や厚生年金基金からの移行で当初加入者数は大きく増加しましたが、最近では減少傾向にあります。
〔図表1〕DB・DC加入者数の推移とカバー率
一方、赤で示したDCはコンスタントに加入者が増え、2025年3月末では862万人となり、DB(同887万人)と肩を並べるまでになりました。またこの加入者数は厚生年金被保険者の18%をカバーしています。
ところで、今年度の運管協資料から新しいデータが加わっており、初めてその実態がわかったことがあります。DC加入者のうちDB・厚年基金等の他制度を併用している人数です。25年3月末時点で426万人です。そうしますと、概数にはなりますが、DB887万人+厚生年金基金11万人+DC862万人-併用者426万人=1,334万人がおおよそ企業年金に加入していることになります。同時点の厚生年金被保険者数は4,746万人ですので約28%を企業年金がカバーしていることになります。企業年金は普及してきたとは言え、被用者のカバー率は3割に満たない状況です。
資産・掛金の状況
1人あたりの掛金額に着目すると、掛金額は徐々にではありますが増加傾向を示しています。2014年3月末から11年間の年あたり増加率は幾何平均で2.8%となります。一方、資産額は20年3月末までの伸びは小さいもの、以後、増加幅が拡大し、23年3月末から24年3月末への伸びは特に顕著でした。25年3月末期の1年間はマーケット要因により横ばいでしたが、11年間の年あたりの増加率は幾何平均で4.5%となります。1人当たり資産増の要因は掛金の積み立ておよび運用環境の影響を受けたと考えられますが、各人のポートフォリオの変化も影響したと考えられます。
〔図表2〕1人あたり資産額・掛金額の推移


