増える、“貯蓄はあるけど、頭金ゼロ”!

そこで、頭金ゼロを選択した人に、住宅購入前に保有していた金融資産額を尋ねました。その結果、保有金融資産が500万円以上あった人の割合は、住宅ローン借入時期が1991~2000年では22.2%だったのに対し、2021~2024年では38.9%へと16.7ポイント増加していることがわかりました(図表2)。

頭金ゼロという選択は、必ずしも資金不足によるものだけでなく、家計戦略や資産形成を見据えて“貯蓄はあるけど、頭金ゼロ”という前向きな選択として広がっている可能性があります。

【図表2】頭金ゼロを選択した人のうち、住宅購入時の保有金融資産*1が500万円以上あった人の割合

 

*1:物件の頭金・諸経費などを支払う前の額を回答
回答者:住宅ローン利用経験者(住宅ローン借入時期が1990年以前は回答者数が少ないため掲載省略)
※回答者数:1991年~2000年:51、2001年~2010年:107、2011年~2020年:148、2021年~2024年:88
※住宅購入時の保有金融資産「わからない/答えたくない」は除く(特に断りがない限り、以降の図表においても同様の前提に基づいています)

実際に、“貯蓄はあるけど、頭金ゼロ”を選択した人の、頭金割合の選択理由を確認したところ、「手元資金の確保(27.3%)」が最も多く、次いで「金利の低さ(25.9%)」が挙げられました(図表3)。

この結果からも、住宅購入後の支出や資産形成を見据えて「手元資金を温存しよう」という意識がうかがえます。

【図表3】頭金割合の選択理由(複数回答可)

 

回答者:住宅ローン経験者のうち、住宅購入時の保有金融資産が500万円以上あったと回答した方838名

では、“貯蓄はあるけど、頭金ゼロ”にした場合、住宅ローン利用や資産形成に何らかの違いが出てくるのでしょうか。次回のコラムでは、住宅ローン利用の傾向についてみていきたいと思います。

●参考記事:【頭金ゼロを選んだ人の62.4%が変動金利を選択…「貯蓄はあるけど頭金ゼロ」層の住宅ローンに潜むリスクとは?】

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 矢野 礼菜)