血のつながらない兄弟との関係

30歳の後藤聡子さん(仮名)の両親は再婚同士でした。

父は慶應大学出身で会社を経営しており、友人の親より年上ではありましたが、聡子さんにとっては自慢の父でした。当時は、両親が再婚同士であることも知りませんでした。母が再婚したのは、聡子さんがまだ幼いときだったからです。その父が亡くなり、相続手続きのために義兄弟を探すことになります。母も高齢で病気だったため、弁護士とともに探したそうです。

やっと見つかった義兄弟は、亡き父にそっくりでした。その姿を見て、聡子さんは思わず涙ぐんだといいます。一方、義兄弟は、両親が離婚した後の父の消息をまったく知らず、「生きていたのか」と驚いていたそうです。

相続は揉めることなく、円満に解決しました。20歳も年下の未婚の義理の妹が老いた母を支えている状況に、理解を示してくれたからです。

ただし、その後の関係については、先方から「これきりにしたい」と申し出がありました。「お会いするのは、最初で最後です」と。

聡子さんも複雑な思いを抱えていました。

「父親が同じだから兄弟だよ。これからもよろしく」と言われても戸惑ってしまいますし、「父を奪ったのはお前の母だ」と責められるのではないかという不安もあったといいます。結果的に、静かな別れ方だったことに、ほっとした気持ちもあったそうです。

●親の離婚は子どもの結婚にも大きな影響を及ぼします。聡子さんはどのような決断をするのでしょうか。後編【幼少期のトラウマに苦しみ会社にも行けず…再婚家庭で育った38歳女性が結婚相手に求めた「たった一つの条件」】で紹介します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。